
昨年末、師匠の一人に勧められて読んでみました。
格闘マンガがけっこう好きなのでロシア(旧ソ連)の
軍隊格闘技「システマ」の存在はなんとなく知っておりました。
たしか、タフとかケンガンアシュラとか嘘喰い
(ギャンブル勝負の合間の格闘戦のほうが面白かったりする(笑))
にもでてきたような。
「システマに決まった型はない!」とか
「システマの打撃は相手に浸透させる!」とか
マンガに出てくるシステマが正確かどうかはよく分からんかったけれど
そのミステリアスさも相まって中二心をくすぐられたものです。
[こんな本です]
出版社の内容紹介から
リーマンショック、東日本大震災など、パニックに陥ったり、ストレスをためやすくなっている方が多い昨今。
心理面での恐怖の対処法の本はあるが、当書は呼吸法で恐怖を消す為の理論と実戦を解説。
その呼吸法とは?ロシアの特殊部隊が採用している武術システマにあります。
戦場での恐怖から来るパニックやストレスを消す為にシステマの呼吸法は有効活用され、
そのノウハウは、もちろん日常生活でも応用出来るもの。
この最強の呼吸法は今やサッカーロシア代表チームを初めとする、ロシアの世界クラスのアスリートに採用されています。
なぜ恐怖を感じるのか?恐怖を招く理由など恐怖の分析から入り、恐怖を消す為に何故呼吸が重要か?
その為には何をしたらいいか?頭をスッキリさせる為、やる気を出す為、スピーチ、ビジネストークなどへの応用を解説し、
さらにトラウマ、パニックからの解消、脱出法も紹介。
この本の著者の北川貴英さんは公認のインストラクターとのことなので
情報の正確さには圧倒的安心感があります。
(マンガと比べては失礼かもしれませんが。)
さて、内容ですが、タイトルにもあるように主に呼吸(法)の話です。
呼吸法って精神状態のコントロールによく使われたりすると思うんですが
従来の方法って個人的にはあまりうまくいった記憶がありません。
瞑想なんかも「呼吸に意識を向ける」が全然続けられないので
結局いつも三日坊主です。
[なるほどポイント]
で、この本に載ってた内容で目から鱗だったのが
呼吸と同時に身体の変化を観察する一連の解説と
エクササイズです。これがかなりいい感じ。
呼吸の力を鍛えるには呼吸の力を意識することが大切です。
~中略~
意識するのは、呼吸に伴って体に生じるあらゆる動きや感覚です。
一般的に呼吸によって動くのは横隔膜や肺、それを包む胸からお腹くらいまでのように思われていますが、
実際には筋肉や骨格、体液などを通じて頭のてっぺんから指先、つま先に至るまで全身がくまなく連動しています。
そこで自分が「呼吸に意識を向ける」が
うまくいかなかったのは呼吸そのものに
集中してしまっていたからでは!と気づいたわけです。
(2つ以上のことを同時にやる・感じるっていうのは
マインドフルな状態をつくるときのカギなのかな?
と最近考えてます。)
まだ、全部のエクササイズを試しているわけではないですが
今後いろいろ自分で人体実験してみます。
あと、面白かったのが「自分の間合いを確認する」エクササイズ。
人は一般的に自分の周囲にパーソナルスペースと呼ばれる空間を設定しています。そこに無造作に踏み込んでくる人がいると、反射的に警戒し、体をわずかに緊張させます。これは対人関係における緊張の種のようなものです。これが大きく成長する前にブリージングで解消できるようにしておくと、緊張が足かせにまで発展するのを食い止めることができます。
似たようなワークはやったことがあるのですが
自分の持ってるネタと組み合わせると相当強力なワークが作れそう( ̄― ̄)ニヤリ
一緒に実験台になってくれるかた募集中です(笑)
[感想まとめ]
最後にこの本で一番「おっ!」と思ったところ。
(創始者)ミカエル・リャブコは「システマを極めたらどのような人になるのでしょうか?」という質問に対して、こう答えています。
「特別な人になるわけではない。普通の人になるのだ」
私も普段の自分が一番優秀なのは理論的にも経験的にも確信してます。
だから、いかに普段の自分を保てるか
また、成長させられるかが永遠のテーマです。
システマの呼吸法はそのあたり強力なツールの一つになりそうです。