こんにちは。
【オンライン心理カウンセリングなごやか】
心理カウンセラーのイヌカイです。
インターネット上のたくさんの情報の中から
この記事を選んでいただいてありがとうございます。
人と付き合うときにどうしても「良い人」を演じてしまう。
だけどもう限界…、疲れちゃった…。
カウンセリングでもこういった辛さ、しんどさをご相談いただくことは多いです。
たとえば、本音では、
「本当は自分のやりたいようにやりたいよ!」
「いつもいつもニコニコしてるのはもう無理!」
「頼られてばっかりじゃしんどいんだよ!自分も悩みを聴いて欲しいよ!」
のような気持ちがあるのに外に出せずにどんどん溜まっていく…
これは相当苦しいです。
今回はこの苦しさから抜け出していくために知っておきたいこと、
そしてはじめの一歩としてすぐにできることをお伝えしていきます。
少し長い記事ですが、最後までお付き合いいただければと思います。
- 人づきあいが楽になる
- ガマンするストレスが軽減される
- 自分を大事にすることができる
人の心の中には様々な「自分」がいる
いわゆる「本当の自分」(と思って抑え込んできた自分)を
出すというゴールに対して、よくある教科書的な答えで言えば、
- 少しずつ出すことに慣れていく
- トラブルをできるだけ起こさない出し方を学んでいく
- 100%に近いくらい出してもだいじょうぶな相手をつくる
とかになるのでしょうか。
でもこれって、正直ちょっとハードル高くない?って思いませんか。
たしかに、これらはいつかは必要になることも多いと思います。
でも、いきなりそれができれば苦労しないし、悩んでないですよね。
実はそういった取り組みをする前に見落とされがちなんだけど、
とても大事なことがあるのです。
それは「“偽りの(と思っている)自分”のことを
分かって認めてあげること。」です
順を追って説明していきますね。
まず、最初にですが、人間の心は一つのかたまりじゃなくて、
いろいろな自分が寄り集まってできているということを知っておきましょう。
たとえば、昔のマンガなんかで、お金を拾ったときに
「そのままもらっちゃえよ!」という悪魔と
「警察に届けないとだめよ。」という天使が出てきて迷う
なんてのがありますよね。
こんなふうに心の中に相反する気持ちや考えがあって、
悩んだり葛藤したりするのが人間の心なんです。
今回のテーマである“本当の自分”“偽りの自分”というのも
同じように心の中にいる様々な自分のうちということですね。
後にもさらに詳しく説明していきますが、
心の中のどの自分にも「良い悪い」も「善悪」もありません。
その代わり、それぞれの力関係に極端な差ができたりすると
調子を崩しやすくなったり、現実社会で問題を起こしたり
しやすくなったりします。
今回の例で言えば“偽りの自分”が
「あんたが表に出てきたらろくなことはないんだから
おとなしくしてなさい!(゚Д゚)」とすごんでいて、
“本当の自分”は「わかりました…(´·ω·`)」と
しょんぼりしているイメージです。
これはとても力関係が対等な状態とは言えないですよね。
抑え込まれてしょんぼりしている“本当の自分”は
日々フラストレーションをため込んでいます。
だから、解放されるとめちゃくちゃ気持ちいいです。
怪しい宗教やセミナーなんかでは、この気持ちよさに付け込んで
「本当の自分を解放しましょう!」とか言って
“偽りの自分”を否定したうえに、いきなり“本当の自分”を
表に出させようとしたりするようなんですが、危険極まりないです。
これは力関係が逆転して表に出る部分が変わっただけで、
心理的には何も解決してません。
周りの人は急に豹変したことに戸惑ったり、
怒ったりして人間関係もズタボロになる可能性大。
そんなときに「分かり合える人とだけつき合いましょう。」なんて
言われたら、もう信者一直線です。
大切なことは“本当の自分”と“偽りの自分”が対等な関係になって、
それぞれが場面にあったバランスで表に出られること。
「ここは下手な事言うとまずそうだから少しおさえておこうか。」とか
「今は勇気を出して意見を言っておこうか。」と
自分の中で調整ができるようになることが理想です。
ここまで読んでいただくとこんなふうに
思う方もいるかもしれません。
「そもそも“本当”とか“偽り”とかっていう分け方おかしくない?」
はい、その感覚は正しいです。
この次はそれについてご説明していきますね。
(心理療法の理論でもフロイトの精神分析では
エス、自我、超自我と呼ぶ部分があることを提唱しました。
交流分析という理論ではP、A、Cとしたり、
最近の理論である内的家族システムでは
セルフ、プロテクター、エグザイルとするなど、
各種の理論で心の中を様々なパーツが構成しているととらえます。
もしもご興味がありましたら調べてみても面白いかもしれません。)
自分に“本物”も“偽物”もない
そもそも“本当の自分”って何なんでしょう?
反対に良い人を演じている自分は
“偽り(ニセモノ)の自分”で悪者なんでしょうか?
先に答えを言ってしまいますが、
自分に本当も偽りもありません。
そもそも本当の自分を100%出すか、
それとも一切出さないかという2択でもないです。
本音として感じている気持ちや押さえつけて、
表に出さないようにしている自分はたしかにあるけれど、
それは表現の仕方も変えられるし、
それによって50%くらい出すってことなんかもできるのです。
たとえば、いつも自分がトイレ掃除を率先してやっている、
けれど今日は気分がのらないというときに、
「私今日はトイレ掃除やりたくない!
いつもやってるんだからやりません。」と言うのと
「ごめん、いつもトイレ掃除自分がやるのちょっとつらいから、
どうしても忙しくて無理ってわけじゃなければお願いできないかな?」
と言うのではまったく違いますよね。
(今の時点であなたが言えるかどうかは一旦置いておいてです。)
しかし、本当と嘘・偽りという二極対立は、
いつの間にか「本当の自分=善」で「偽りの自分=悪」という
構図になってしまいます。
ここで視点を変えてみてください。
- 優しくできる
- 明るくふるまえる
- 気を利かせることができる
- 人の嫌がることを率先してできる
これらって能力なんですよね。
あなたがこれまでの人生でがんばって身につけてきたのです。
なくすことも奪われることもない宝物なんですよ。
だから“偽りの自分”なんて貶めるような言い方しなくていいんです。
100人中100人に好かれるのは無理だし、
生きていたら誰かには嫌われるのはたしかにそう。
過剰に嫌われるのを恐れてしまうのは、
たしかにゆるめたほうが得ではあります。
でも一方で、現実問題として、大多数の人から嫌われたら損しますよ。
仮に嫌われる事自体が気にならなくても、仕事にもプライベートにも
支障をきたすことは想像がつきますよね。
だから、別にあなたは間違ったことをしてきたわけじゃないです。
自分なりに困難を乗り越えようとしてきただけじゃないですか?
それが、たまたま“やりすぎ”になってしまっただけのこと。
良い人を演じているから苦しいと思いがちですが、
そうではなくて“過剰に”抑え込んでいる感覚が苦しさをつのらせるのです。
だから、“ほどよく”自分の気持ちや主張を表現できるように
なっていけばいいだけのこと。
むしろ、人の気持ちを察することを磨いてきたあなたは、
バランスよく状況や相手にあわせてちょうどよい距離感で
人と関われる素質十分です。
でも、そうはいってもいきなり実践していくのはむずかしいですよね。
ということで、ここからは抑え込んでいる自分と
抑え込まれている自分を理解して
ケアしていくことについてお伝えしていきます。
2つの自分とコミュニケーションをとろう
[今まで抑え込んできた“本当の自分”だと思ってきた自分。]
[今まで不本意だと思いながらも使ってきた“偽りの自分”。]
それぞれに抱えている思いや感情があります。
あなたはそれぞれに話しかけてあげることができます。
そしてそれが苦しさから抜け出していく第一歩になります。
“偽りの自分”と思ってきた自分へ
今の自分からしたら、自分の本音や気持ちを抑えつける
憎いやつなのかもしれません。
でも、決してあなたを苦しめようとしてきたわけではありません。
むしろ、あなたがこの世界で生き延びていくために、
良かれと思って大きな声で口出しし続けてきたのです。
きっかけは苦しいことが続いたときに自分でこうしていこうと
決めたのかもしれないし、親が言ってきたことに従うことが
生きる道だったのかもしれません。
だから、まずはその主張を認めてあげましょうか。
“偽りの自分”っていう呼び方ももうやめましょう。
『良い人さん』とか『ニコニコくん』とかどうでしょう。
もしも自分でもっとしっくりくる名前が思いつけば、
つけてあげるといいですね。
さて、良かれと思ってやってきた人に対して、
いきなり「お前は間違っているからもう無視な。」っていう
態度をとったって、
「そうはいくか。」と余計かたくなにするだけです。
だから、まずは
「良い人と思われるようにふるまっていないと心配だよね。」
「頼られたら応えないといけないと思っちゃうよね。」
「どんなときも笑顔を見せていないと不安になるよね。」のように
“偽りの自分”の気持ちを理解して、
共感の言葉を言ってあげてみてください。
人間気持ちを分かってもらえるとほっとしますよね。
心の中も人間の一部だから同じなのです。
できるなら自分に言い聞かせるように口に出せるといいです。
これだけでも落ち着くことも多いです。
これとは逆に、『良い人さん』の陰にいて煽り立てる
「良い人でいないとだめじゃないか!」という声に対して
怒りをぶつけて黙らせるという方法もカウンセリングではよく行いますが、
まずは上記のほうから試していただくと良いと思います。
“本当の自分”と思ってきた自分へ
一方であなたがこれまで出してはいけないと思って抑えてきた
“本当の自分”と思ってきた自分。
ずっと長い間抑え込まれてきて不満もあれば傷ついてもいるでしょう。
本当は元気な子どもが部屋のすみっこでいじけているようなイメージでしょうか。
そのまま『元気ちゃん』と呼んでも、あなたが子どものころに
呼ばれていた『○○ちゃん』でもいいし、
もっとしっくりくる呼び方があればそれでもOKです。
こちらの自分に対しても存在を認めて、言いたいことを受け止めてあげませんか?
たとえばですが、こんなふうに思っているかもしれませんね。
「もっと自由に生きたい!」
「いい加減疲れた!もう無理!」
「誰も自分のこと分かってくれない!私の主張も聞いてよ!」
どうですか?
自分でも心の内に耳を傾けて、どんなメッセージを発しているか
聴いてみてください。
そしてもしも、どんなことを言っているのか分かったら、
それを受け止めてそのまま伝え返してあげてください。
先程の例でいくなら、
「もっと自由に生きたい!って思うんだね。」
「もう疲れちゃったんだね。これ以上は無理だって思うんだね。」
「誰も自分のこと分かってくれない、私の主張も聞いてよ、
分かってよって思ってるんだね。」という感じでしょうか。
こちらも同じく心の中で語りかけてあげてもいいですが、
できれば声に出してみてほしいです。
実際に耳から声が入ると感じ方も全然違いますから。
自分で自分に言う分にはそんなに凝った返しはしなくてもいいですよ。
まずはほぼそのまま伝え返してあげましょう。
心の中の抑え込まれた自分が思っていること、感じていること、
考えていることを否定せずにただ認めてあげる。
これだけでもだいぶ楽になることもあります。
抑え込まれてきたということは見方を変えれば
否定され続けてきたということ。
抱えてきた気持ちを認めて分かってもらえただけでも、
救われた気持ちになるのはなんとなく分かるのではないでしょうか。
伝え返してあげた後、それに対する反応やメッセージが
なにかしら返ってくると思います。
もちろんそれに対してコミュニケーションをさらに続けてみる
というのもひとつですが、これは少々ハードルが高いかもしれません。
また、そもそも思っていることもよく分からないということもあれば、
言葉にならないということもあります。
そんなときにはカウンセリングを利用するのもおすすめです。
カウンセラーとのやりとりの中で自分の心の内とのコミュニケーションを
一度経験するとどんな感じなのかも理解しやすいですし、
その後それを活かして自分で取り組んでみるということもできます。
では、今回のまとめです。
- 心の中には様々な自分がいる
- 心の中の関係性バランスが崩れると不調を招きやすい
- 自分に本当も偽りもない。どれも大事な自分
- 心の中の自分それぞれを理解して話しかけてあげることが重要
また、メルマガでは色々なテーマで心の健康に役立つ情報を発信しています。
別の視点でも自分の悩みを楽にするヒントが見つかることもありますので、
もしよかったらこちらからご登録いただけましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
自分自身もうつを乗り越え、心療内科クリニックやオンラインで
心の不調に苦しむ人に向き合い続ける心理カウンセラーが、
心の仕組みをふまえた「なるほど!」と心が軽くなるお話をお伝えいたします。
メルマガ会員様だけのお得な情報のご案内などもいち早くさせていただきます。
お名前とメールアドレスだけでカンタンに登録できます。
(購読の解除はメールのリンクをクリックするだけでいつでも可能です。)
(最近、無料版Gmailのアドレスに届かない事例が多発しております。
現時点では設定などで対応ができないようですので、
登録確認メールの返信が1時間以上経ってもない場合は
他のメールアドレスをご利用いただくことをおすすめいたします。)