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自分探しの旅って意味ある?批判も多いけどいい方法もあったりするの?

こんにちは。
〈オンラインカウンセリング『なごやか』
心理カウンセラーのイヌカイです。
今回もご相談にお答えしていきます。

今回のテーマは自分探しの旅。

最近はこの言葉を聞くことも少なくなったように思います。
流行ったのは2000年代はじめくらいでしたかね。

若者は人生に迷い自分に迷いバックパック一つで放浪の旅に出る。

そしてなぜか行先はインド(笑)
世界一周というのも定番ですかね。

私も沢木耕太郎先生の『深夜特急』を読んでバックパッカーにあこがれたものです。

そんな若気の至り期も過ぎ、自分探しなんて言葉が流行りはじめた頃

一人で旅行に行こうとすると「おっ、自分探し?」とか
いちいち言われて(#^ω^)ピキピキっときていたものです(笑)

とはいえ、この先行きがはっきりしない不安の多い時代に

自分のやりたいことは何かとか

自分のアイデンティティを確立したいとか

そんな思いを持つことは自然なことだと思います。

その一方で“旅”という行為がそれにふさわしいのかという意見もあります。

いくら言葉の通じない外国という過酷な環境を回るとはいえ、
それにより自身が理解できるのか、自己を確立することと何か関連があるのか。

キビしい言い方をする方は

「ただの現実逃避じゃないのか?」

「旅行や遊びと変わらんだろ」

なんてことをおっしゃいます。

逆に旅に出たい人からすれば

「大人が自分たちのエゴで作った枠にはめるんじゃねーよ!」

「自分たちに自由がないからって若者のチャレンジにケチつけんな!」

っていう気持ちもわいてくるでしょう。

「意味はない」「意味がある」どちらの意見もそれなりに正しそうなので
迷ってしまいますよね。

結論から言うと『旅すること』はめちゃめちゃいい経験になることは間違いないです。
特に一人旅。

その代わり、あなたが探している『自分』が見つかることは、
あまり期待しないほうがいいです。

『旅すること』は“自分を探す”ためでなく、”自分をつくる”ためにするものだから。

旅することそのものが悪いわけではない

一人で旅をすること。

特に言葉の通じない土地に行ったり、金銭や持ち物に制限があったり
という条件でそれを行うことはなにものにも代えがたい経験を得ることができるでしょう。

時間に余裕があり、固定観念も少ない若いうちにそんな旅を経験しておくことは、
とても素晴らしいことだと思います。

もしも、行くことを迷っている若者がいれば
個人的にはぜひとも挑戦することをおすすめします。

ただし、その目的は「自分探し」ではなく「自分づくり」として。

新しい出会いや新しい経験から

新しい視点、新しい考え方、

新しい価値観、新しい欲求…

そんなことをどんどんと“現状の自分”に取り入れて付け加えて、
より多くの選択肢を選ぶことのできる豊かさを手に入れる。

それこそが“旅”の醍醐味ではないでしょうか。

もちろんその恵まれた普段の日常と比べて、大変な状況での日々の中で

「あれっ、自分ってこんなこともできるんだ」というような

発見がある可能性は大いにあります。

それを「自分が見つかった」ととらえることもできるかもしれません。

でもそれって、ただ自分の中の一部が見つかっただけで、
アイデンティティに関わるような画期的な発見ではなくないですか?
(とてもいいことではあるけどね)

あくまで、それは副産物だと思っておくくらいでいいのかなと。

自分の何を探すのか考えてみる

じゃあ、多くの「自分探しの旅」が批判にさらされるのはなぜなんでしょう?

それは、これまで自分を作り上げてきたものに向き合おうとせずに、
今ここにある困難に立ち向かおうとせずに、

それさえ見つかればすべてが解決し、この先もずっと楽しくいられるような
“現状の自分”の力を大きく超える“すげえ本当の自分”が見つかるのではという
甘い妄想に逃げているように見えるからではと考えています。

一般的な言葉で言うと現実逃避とでも言われるものですかね。

そういう逃避的な人も実際にいらっしゃるのでしょう。

今というこの瞬間。

存在しているこの場所にいる自分。

もしも、遠く離れた地に旅をすれば、それ以上の「自分」が見つかりそうですか?

ここまでじっくりとお読みいただいたあなたなら、
きっとそんなことはなさそうだとぼんやりとでも分かっていただけたのではと思います。

ならば旅というやり方は置いておいても、自分を探すことに意味はないのでしょうか?

自分を「探す」という言葉のワナ

多くの人がつまづく理由。

それは「探す」っていう言葉がそもそものズレてるから。

だって、「探す」ってまだ見たことないものとか、
失くしてしまったものを見つけにいくってニュアンスないですか?

自分の(心の)中に見たこともないものや、
失われてしまったものなんてないのです。

「探す」なんていう意識が頭にあると、
まだ見ぬスゴい「本当の自分」とか、「タマシイ」とか「ハイヤーセルフ」とか、
「神」とか「宇宙」とかみたいな幻影を求めていつまでもさまよっちゃいますよ。

ちなみに、このへんが見つかった気になって、
一時的にエネルギーがわいてうまくいくことはあります。

ラッキーな人ならその勢いのまま一生を終えられるかもしれませんが

大抵の人はその後壁にぶち当たったりすると、また次の自分探しを始めるわけです。

どこかでそのループから抜け出ないと救いがないですよ…

自分とはいったいなんだ?

人間の生み出すものに唯一無二の完全なオリジナリティって存在するのでしょうか?

注意深く考えてみるとそんなものってまずなくて、
大抵のものは既存のものの組み合わせや延長線上にあります。

どんな偉大な発明者も学者もアーティストが生み出したものも、
ほぼ間違いなく既存のなにかを発展させたものでできています。

人間そのものも同じです。

親や先祖から引き継いだ遺伝子によって創られた(脳も含めた)肉体と、
産まれてから見て聞いて感じたものごとや出会った人の膨大なデータの集まり(心)です。

それをつなげて組み合わせたりして使っているにすぎません。

それだけ聞くとちょっとがっかりかもしれませんが

産まれてから何年もの間まったく同じ人と出会って、
まったく同じ体験をしてまったく同じデータを積み重ねる人は絶対にいません。

だからその自分をつくっている全体のカタマリについていうならば、
唯一無二完全無欠のオリジナリティということができるでしょう。

それを受けいれられれば、自分が生きていた中で特に得られていたわけでもない
なんかスゴそうな自分を探すよりも

自分をつくりあげているものを「知る」「理解する」ということのほうが、
何千倍何万倍も大事で役に立つと思いませんか?

そして、自分(をつくっているもの)のことが、分かれば分かるほど、
知れば知るほど自分の可能性もたくさん見えてきます。

それは、自分の人生のGoogleマップみたいなナビを手に入れるに等しいことなのです。

自分専用ナビを手に入れよう

自分(をかたちづくっているもの)をよく知って、
よく理解するためには何が必要なんでしょうか?

すごく単純なわりに大変だけど、がっつりとやっておくと必ず役に立つことがあります。

それは、「私物語」を書くことです。

一般的にいえば自分史です。

最初はリストアップから始めます。

自分が産まれたて一緒にすごした家族のこと、

幼稚園・保育園や小学校、中学校…

その時期所属したコミュニティで、どんな友達や先生に出会い、
どんな出来事があったのか。

思い出せることはできる限り思い出してたくさんリストアップしてください。

そして、ここからが大事です。

その人や出来事などに対してどんな考えを抱いたのか?

「〇〇だから△△しようと思った」

みたいなその時の自分なりの理屈みたいなもの。

また、同時にどんな感情を抱いたのか?
これを必ず一緒にセットで書きましょう。

感情はできるだけ短いセンテンスで表してみてください。

「悲しかった」とか

「すごい怒りだった」とか

考え(思考)とは分けておくことがポイントです。

最後は産まれたときから現在までまるでひとつの小説のような物語にすると最高です。

とっても大変な取り組みになりますので、しっかりと体力を整えて
まとまった時間をとって取り組むのをおすすめします。

どんな人の人生にも力がある

一流のスポーツ選手やビジネスで成功した経営者などの人生は、
なにも考えずに語られるのを聴いても力強い一貫性がパッと分かりやすく、
そのすごみが感じられるものです。

じゃあ、私たちのような、世間的には一般人と言われるような
人間の人生には力強さはないのでしょうか?

いや、そんなことはないのです。

それぞれに過ごした時間の分積み上げたものがあります。

それにどんな価値を与えるかは結局、その人の意味づけひとつなのです。

挫折には挫折からしか得られない経験があり、
引きこもりには引きこもりをしないと得られない経験があるのです。

それにどんな意味をつけ、どんな価値を見出すかは自由なのです。

自分の人生を一つの物語としてまとめあげ、大きく強くまとまった
流れとすることで過去があなたを後押ししてくれます。

自分の全人生という軸をもって、新しく出会う世界を適切に位置づけ、
取捨選択をすることができるようになります。

もしもこれから一人で旅に出ようとするのなら、
自分の人生の「私物語」を一度書いてから出発することをおすすめします。

その旅の価値ははるかに大きくなることを保証します。

そして、一人旅にでる予定がなくとも、人生という長い旅路を歩むのに
これほど役に立つ心強いものはありません。

ぜひ、一度チャレンジしてみませんか?

〈おまけ〉

自分の人生の物語は一度書いたら終わりじゃありません。
思い出したことを何回も何回も更新したり、加筆したりすれば、
もっともっと語の力は増していきます。

一度書き終わっても継続してやり続けることをおすすめします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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