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プレゼンや発表など人前で呼吸が浅くなってしまう理由と対処法3選

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プレゼン、発表会、スピーチ、etc・・・。

人前で何かをするというのは相当のプレッシャーがかかることです。

そんなときに呼吸が浅くなって苦しくなってしまう。

まさに「弱り目に祟り目」「泣きっ面に蜂」ですね。

一方で仕事でもプライベートでもそんな場面は
重要であることが多いのも事実。

緊張度が高くなると頭が真っ白になったり、
身体がこわばったりといろいろな弊害があったりしますが、
まずは呼吸から整えていくのが王道かと思います。

この記事ではあがり症のカウンセリングでもお伝えしている
緊張したときの呼吸に関する基礎知識や対処法などを紹介していきます。

どうぞ、最後までお読みいただけましたら幸いです。

この記事を最後まで読むと
  • 人前での緊張感が軽くなる
  • なぜ呼吸が浅くなるのかが理解できる
  • 普段から呼吸の重要さを意識できるようになる
目次

呼吸が浅くなってしまうのはなぜ?

緊張すると呼吸が浅く早くなることは
当たり前に分かっているかとは思います。

では、緊張するとなぜ呼吸が早くなってしまうのでしょう?

と言われると説明できる人は専門の勉強をしたことのある方以外には
なかなかいないのではないかと思います。

先に答えから言うと実は軽い過呼吸が起こっているのです。

電車などで起こるパニックの発作まではいかないけれど、
状態としては同じものですね。

まずはその苦しくなってしまう
緊張と過呼吸の関係についてお伝えしていきますね。

緊張は脳が“危機”を感じている

緊張ってそもそもなんなのかというのも、
よくよく考えると説明がむずかしいところありますよね。

ここでは動物としての反応という側面から
『(生命の)危機を感じてそれに備える状態』としたいと思います。

『生命の危機』なんて聞くと「そんな大げさな…」と思うかもしれません。

確かに人間としての表面的な意識は
そんなふうには感じていないと思います。

でも、もっと本能的な部分ではそう感じてしまうということなのです。

それは具体的に言うとこんなふうなイメージです。

あなたは原始人です。

食べ物を取りに集落から出て草原をうろうろしていると
目の前に大きなライオンが出てきました。

どうもお腹を空かせているようで、
スキを見せたらすぐにでも飛びかかってきそうです…。

さて、どうでしょう?

まさに究極の緊張感ではないですか?

現代日本ではよっぽどそんなシチュエーションはないかもしれません。

北海道の山奥でヒグマに出会うくらいでしょうか。

でも、その本能的な感じ方はなくなっていないのです。

プレゼンや発表が自分にとって一大事であれば、

「失敗したらどうなってしまうんだ…。怖い…。」という思いが、
脳の中で生命の危機として変換されているのです。

では、ここからは緊張と呼吸の関係について説明していきます。

緊張と呼吸の関係

先ほどのイメージの続きを考えてみましょう。

目の前には今にも自分に襲い掛かってきそうなライオン…。

そんなシチュエーションではのんびりと
緻密な作戦を立てている余裕はありません。

そこで人間は「“戦う”か“逃げる”か」のシンプルな2択だけを
判断すればいいようにスイッチを自動的に切り替えます。

そうしたとき必要となるのが『酸素』

戦うにしても逃げるにしても激しく身体を動かすからです。

そして、酸素をたくさん取り込むために呼吸の回転を上げる…。

これが呼吸が早くなってしまうメカニズムです。

ちなみに、取り込んだ酸素を巡らせるために
心臓の動きも激しくなります。

だから、緊張するとドキドキするんです。

酸素の取り込みすぎが呼吸を苦しくする

で、ここからが大事なところなんですが、
本当に目の前にライオンがいて、
戦ったり逃げたりするのであれば、

取り込んだ酸素を消費するので身体にとって特に問題はおきません。

ところが私たち現代日本人はプレゼンの場などで
激しく運動することなどはないですよね。

ということは、取り込んだ酸素は身体にたまっていく一方です。

人間の身体は不思議なもので、酸素が必要不可欠な一方、
酸素が増えすぎるとその分血液中の二酸化炭素が少なくなって
バランスが崩れることでも呼吸がうまくいかなくなります。

そうなると、苦しいのでなんとか頑張って息を吸おうとしますが、
酸素が多すぎるところにさらに息を吸って酸素を増やすという
悪循環に陥っていくのですね。

ちなみにですが、
クレーマーのような攻撃的な人と対峙したり、
仕事に関する不安が強くなったり、
仕事のし過ぎでずっと気が張っていたりという状況でも

同じように「戦うか逃げるか」に大きく傾きます。

本能として感じている部分としては同じなのです。

深呼吸が逆効果になることも

ここまでお読みになってカンのいい方はお気づきかもしれませんが、
呼吸が浅くて息苦しいときに深呼吸するのは
やり方や状態によっては息苦しさを助長してしまう可能性があります

酸素を取りこみすぎてしまっていることによって苦しくなっているのに、
さらにたくさん酸素を取り込んでしまうことになるからです。

ところが「落ち着くためには深呼吸」というのが一般的になりすぎてしまって、
ほとんどの方が緊張すると深呼吸をしてしまうのが現状です。

でも、ここまで読んでいただいて緊張と呼吸の関係を理解すれば、
まずは深呼吸の逆になるようなことのほうがベターなのでは
ということはなんとなく分かりますよね。

具体的な呼吸の浅さ・息苦しさへの対処法は
この後に詳しく解説しますのでもう少しお付き合いください。

「戦うか逃げるか」にスイッチが入るのは、自律神経のアクセル(緊張・興奮)を司る
交感神経が普段以上に強く優位になり、『闘争か逃走反応』と言われる状態になることを指します。
詳しくは『キャノン 闘争か逃走反応』などで検索してみてください。

呼吸がうまくいかないことが悪循環をまねく

呼吸と気持ちの落ち着きには密接な関係があるのは
ご理解いただけましたよね。

裏を返せば呼吸がうまくいかないとプレゼンや発表などの場では
以下のようにいくつもデメリットがあるとも言えます。

頭が回らない

そもそも緊張・興奮状態で「戦うか逃げるか」モードになっていますから
視野の狭い両極端な白黒思考になりやすく、客観性も弱まってしまいます。

落ち着いているときならしないような苦し紛れの行動や言動もしがちです。

手足がしびれる、かたまる

過呼吸気味になると血液がアルカリ性に傾くことで、
血管が収縮し、手足がピリピリとしびれてきたり、筋肉がかたまったりします。

手が震えてものを落としてしまったり、それを意識してしまうことで、
より焦りの気持ちをを増長させることにもなります。

声が震える

上記のように筋肉がかたまるのは手足だけでなく、
身体のいろいろな箇所に起こります。

のど周りがかたまると発声がうまくいかず声も震えてしまいます。

このように身体の反応が思い通りにならなくなることが、
恥ずかしさや不安、恐怖の感情を呼び起こし、
さらにまた焦って緊張を加速するという悪循環に陥りやすくします。

その悪循環を断ち切るためにはまず呼吸のコントロールということで、
ここからは具体的な呼吸に関する対処法をお伝えしていきます。

呼吸が浅くなったときのための対処法

呼吸が苦しくなる原因は酸素の取り込みすぎというのは
前述のとおりです。

ということであれば、呼吸を正常に戻すには
取り込む酸素を減らせば良いということですね。

ちなみに昔はよく過呼吸になった人には紙袋を口に当ててもらって、
吐いた息を吸うということをしていました。

これは確かに効果があるんですが、
逆に二酸化炭素の取り込み過ぎで事故が起こったり、

何よりも人目のあるところでやりにくいということで
あまりやらなくなっているようです。(詳細は以下の論文参照)

ですので、ここでは道具などを使わず、練習さえしておけば
とっさのときにすぐ使える方法をご紹介していきます。

息を吐くことに集中する

おそらく、今現在一番よく行われていると思われる方法が、
「できるだけ長く吐く」ことに集中することです。

苦しいとつい息を吸おうとしてしまいますので、
理に適ったやり方ですね。

ただ、この方法は誰かが横について
ペースを保ってくれないと難しい面もあります。

長く吐くということを繰り返す事自体に
それなりの落ち着きがいるからです。

焦ったままやると結局思っているほど
長く吐けていないということにもなりがちです。

そこで、より一人でもやりやすい、おすすめの方法が以下になります。

ボックス呼吸法

息を吸う→止める→吐く→止める→吸う…を繰り返す呼吸法です。

なんとアメリカ海軍特殊部隊であるNavy SEALsで
採用されている方法とのことなので、効果はお墨付きと言えます。

やり方は次の4ステップです。

  1. 4秒かけて息を吸う。
  2. 4秒間息を止める。
  3. 4秒かけて息を吐く。
  4. 4秒間息を止める。

この4ステップを繰り返します。

以下のアニメーションを見ながらやるとやりやすいかと思います。

緊張する場面だけでなく、普段の生活に取り入れるのもありですね。

個人的には②か③から始めてもよいように思います。

息を一旦止めてしまう

私がカウンセリングでもお伝えしているのがこの方法です。

酸素を取り過ぎているのだから
止めてしまえばいいというシンプルな理屈ですが、

シンプルだからこそとっさのときにも
確実にできるというメリットがあります。

何回かやればほとんどの方が息苦しさの改善を実感されますね。

一旦息を止める多少の苦しさはあるものの、
止めた後には自然に必要な分の息を吸える感が得られます。

デメリットとしては苦しいときに止めるという行為に対する、
少しの勇気がいることでしょうか。

カウンセリングでは実際に体験してもらいつつ、
回数や止める長さなどを相談しながら
ちょうどいいところを探っていきます。

いきなりやるのはちょっとという方や
きめ細かくやりたい方はぜひご相談ください。

人前での息苦しさについて:まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

プレゼン、発表会、スピーチなどであがってしまうことに関しては
トラウマや強い不安感などが背景にあることもありますが、

うまくいった経験を積み重ねることも改善には重要なファクターです。

呼吸のコントロールだけでも試してみて効果があれば、
きっとその助けになると思います。

また、こちらの記事も参考になるかと思いますので、
よかったら合わせてお読みください。

では、今回のまとめです。

  • 緊張して呼吸が浅くなるのは軽い過呼吸
  • 過呼吸気味になるのは脳が「危機」ととらえているから
  • 酸素の取り込み過ぎが息苦しさの原因
  • 取り込む酸素を減らすことで呼吸が楽になる

以上、この記事がお役に立ちましたら幸いです。

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